アメリカ・オレゴンの 「サンリバーリゾート」から学んだ、リゾートスタイル。八ヶ岳スタイル12号
別荘地はルール化された管理に価値が左右される。
「別荘地というのは、ランドスケープ(風景)の保全、グリーンベルト(共益地)の確保などによって、はじめてリゾート地全体の価値がきちんと保全されるんだと思いますよ。
ここ「杜の音ヴィラヴィレッジ」でも、自然環境の保全維持、グリーンベルトの確保、建物の色の規制、清掃管理、道路の除雪など、泉郷が取り組んでいるので安心できました。」
武田さんは渋谷に新築したばかりの自宅もあり、今すぐこちらに定住するという予定はない。でも毎月2回くらいのペースで1週間から10日ほど八ヶ岳に滞在するマルチハビテーションスタイル派。だから、日頃の管理の大切さを重要視している。管理をしないと建物の価値が下がり、長く使い続けることもできず、逆にある程度お金もかけて手を入れてやれば、長く使うことができるということを経験済みだからこそ、管理の大切さを問う。
「それ以上に大切なのは、自然環境ですよね。自然との調和がないと、この美しさも失われてしまいます。そうならないように、管理する側も我々オーナーもルールをお互いに守らないといけないと思います。」
大泉にいる友人の存在。
「実は、友人が大泉に別荘を持っていて、実際に来てみて快適さが実感できたこともきっかけになったかな。ここの気候を実際に感じ取ることができたし、風景や眺望のよさも分かっていましたから。何より季節ごとの風景を楽しめるところがいい。」
完全に覆いつくされた森というよりも、半分空が開けているところ。南アルプス、甲斐駒ケ岳、冬には富士山、もちろん八ヶ岳も見える眺望のよさもお気に入りのポイント。
「近いうちに光ファイバーも入るので、インターネットも快適になるでしょう。それより何よりも浄化槽ではなく本下水が整備されているが一番のポイントですね。」
杜の音ヴィラヴィレッジの分譲地の中でも、窓からは南アルプスの山が見え、冬になると富士山も望めるこの区画はもちろん、整備されたインフラとルール化された管理体制が、武田さんにとっては大きな安心材料だったとのこと。
「八ヶ岳はリゾート地だけど、周辺の住民とのつながりが持てるのも魅力です。蓼科などだと開発が大規模過ぎて、なかなか地元の方との接点がない。それにここには歴史が眠っているのも知識欲をそそりますね。私の先祖ではないけど、武田一族の栄枯盛衰から、縄文土器も出てくる。もともと八ヶ岳の伏流水の水質がいいから、古くから人類が住みついていたエリアでしょ。産業も発展していたところなので、人が暮らすにはもともと豊かな土地柄な上、温泉も豊富。ドライブも充分楽しめる雄大なロケーション。見つけようと思えば、まだまだ楽しみはいくらでも見つかりますよ。」
何歳になっても新しいことを知る楽しみを探して歩く武田さんにとっては、ここ八ヶ岳は魅力の宝庫らしい。
蝶の名前もここに来て思い出した。
武田さんは少年時代に昆虫採集をした経験があるという。定年後にそんな体験が甦るとは、まさに人生の面白さである。
「まさかね、ここに来て蝶の写真を撮ったり、名前を調べたりするなんて、面白いね、ホントに。少年の頃没頭したことは、今でも忘れていないですよ。まだまだ若いってことかな(笑)。」
アサギマダラは八ヶ岳に来てすぐに見つけ、クジャクチョウ、ジャコウアゲハモドキというアゲハチョウに似た蛾など、ここに来ないと見ることのできないさまざまな蝶や鳥たちとの出会いも、八ヶ岳の大きな魅力だと言う。
「アサギマダラって、何千キロも旅をするんでしょう。僕もアメリカや中近東など、世界各国に旅をしましたけど、ここに来るのも新たな人生との出会いの旅でしょうかね。」とご自身の今までの人生の歩みを振り返りながら、第二の人生の楽しみをすでに見つけたご様子。
八ヶ岳の冬は早い。ご自身で探して買った薪ストーブ用の薪割りは、冬に備えての日課となっている。チェーンソーを使いこなし、電動式の薪割り機まで調達して、奥様と二人で過ごす冬の暖をとるための汗を流す。2年目を迎えた八ヶ岳スタイルは、まだまだ当分の間、新しい楽しみの発見に尽きなさそうだ。
(この記事は2010年のインタビューです)