これから行くので、床暖のスイッチを。八ヶ岳スタイル17号
ボーイスカウトを通じて得た体験。
ご主人の尚登さんは長年ボーイスカウトの指導者として活躍され、現在でもカブ隊(小学生対象のグループ)の隊長として活動を続けている。
「最初は3人の子どもたちをボーイスカウトに入れたんですよ。それがきっかけで自分でも参加するようになり、ここに土地を買って、まだ家を建てる前にボーイスカウトの子どもたちを連れて来て、テントを張ってひと晩過ごしたこともありましたよ。自然に触れる機会を作ってあげることは、大人でないとできませんからね。とにかく自然の中で過ごす時間はできるだけ持った方がいいと思います。」
子供たちはボーイスカウトのキャンプに行く前は嫌そうな顔をしているが、帰ってくると必ず楽しかったと喜んで帰ってくるという。自然の魅力や楽しさを知らないだけで、自然に触れる機会を用意してあげれば、自分で遊びも見つける、それが子供の能力なんだろうと。そんな経験もあり、3人のお子さんたちと一緒に山へ来るのが楽しみで、いつも家族全員で月に2回くらいのペースでここへ来るのが田口家の長い間の習慣となっている。
末っ子の博登くんも自然の中で過ごす方が楽しく、今でも携帯電話は持たずに、お小遣いはすべてNゲージに注ぎ込んでいるという。
「何か熱中できることがある方がいいでしょう。ここに来ると小海線が近いので、時間があると電車を見に行っていますよ。鉄道ファンのことを『鉄っちゃん』って呼ぶんですか、最近は。」
中3の博登くんは今春が受験のため、今度の冬休みは受験モードになるが、自然の中で家族とともに過ごす時間がどれだけ素敵なことか、きっとそれは何年後かに分かることだと思う。
冬の楽しみ。冬の便利さ。
いよいよ本格的な冬の到来。田口家はスキーも大好きなので、冬の過ごし方はどのようにしているのだろうか。
「泉郷の便利なところは、行く前に『これからそちらへ行くので、床暖房のスイッチを入れておいてください』って管理センターにお願いできることですね。そうすれば、夜中の到着でも安心。前の別荘の時は、着いてから暖まるまでが大変でしたから、その頃と比べると本当に楽です。夜中に着いても寒い思いをしなくてすむし、もちろんトイレやお風呂も寒くないし。」
床暖房と薪ストーブのある田口家では、もともと敷地にあった木を薪にして、それを今でも使っているという。
「私達もまだ元気なうちに、子どもたちと一緒に楽しみたいじゃないですか。それで若いうちに別荘を新しく建てたかったんですね。一番上のお姉ちゃんは山が好きで、お兄ちゃんは海の方が好きだったりしますが、私の夏休みが仕事柄長くとれるということもあったので休みの間はこっちで子どもたちと一緒に過ごすことが、我が家にとっては普通のことでした。もちろん冬休みも同じで、今年は受験があるのでお正月気分は抑え気味にしていつものように八ヶ岳で過ごします。」と奥さま。
「家内はいろいろと作ったりするのが好きなんですが、僕はここへ来てものんびりしているのが好きなので、ゆったりとした時間を過ごしています。それぞれ性格は違うけど、みんな楽しんでいますよ。」
今では冬でも暖かく過ごせるのが何と言っても夢のようだと語る田口家の家族。菅間地区は標高が970~80メートルくらいなので、積雪も少なく車も安心。
「鹿が出るけどね」と言う博登君は、時間があると小海線に出かけては鉄ちゃんぶりを発揮している。冬でも天気の良い日が多く、日照時間の長い八ヶ岳は過ごしやすく、いい温泉がいくつもあり、時には家族揃って外食に行くことも可能だ。
「やっぱり蕎麦かな」というお父さんに、「がっつり食べる子供たちは清里方面へ」と選択肢も豊富。スキーもいいけど、子どもたちはスケートも好きなので、小淵沢のアウトレット隣りにあるスケートリンクへ。もちろんストーブの前でゆっくり読書もかけがえのないひと時。天井から釣り下げたハンモックのようなブランコも、ログならではの強度があるので、大人でも安心。友だちを招いて賑やかに過ごしても、ここなら近隣の迷惑を気にすることもない。家族揃って、それぞれの冬の生活がまた始まる。
(この記事は2012年のインタビューです)