歩きながら四季を感じられる、それが八ヶ岳の一番の魅力です。八ヶ岳スタイル29号
夏も冬も自然の息吹を傍に感じる。
55区画という広い面積の星の音ヴィラヴィレッジでも、岡さんが選んだのは、小川を有する自然林の傍という稀少なロケーション。一年を通じて様々な鳥達やリスが林から庭のエサやり場に遊びに来る。また、鹿の通り道のせいか、取材の日の朝も鹿に会ったという。
「この西側の林が夏の陽射しを遮ってくれるので、助かります。湿度も高くないし、夏でも室内はクーラーがいらず、テラスにいても林を抜けて届く風が気持ち良いです。さすがに小海線より上になると標高1,000メートルの別天地という感じがします。」冬でも陽射しがあればテラスで過ごすこともあるという。
後から造り変えたガレージの上をちょっと高めのテラスとしたことで、思いがけず、外からの目線も遮れて見晴らしもより良くなった。アウトドアのセカンドリビングとして大活躍している。
ホンカ製のログハウスは10年経っても快適性は変わらない。外壁だけは塗り直しをしたが、室内の無垢のパイン材は時間を経て良い色合いになってきている。
「ログハウスって暖かいですね。薪ストーブ1台と灯油式の床暖房さえあれば、真冬でも何ら問題なく過ごせます。着いた日は暖まるまでは少し時間がかかりますが、一度暖まると翌日は少しの暖房でいいんです。ただ、去年の秋、初めてストーブの煙突の掃除をしたら、3〜4年に1回はするようにってストーブ屋さんに叱られてしまいました。」
八ヶ岳での本格的なセカンドライフを迎える前にまだまだ学ぶことは尽きないし、後にとってある庭いじりという楽しみも待っている。ゆっくり過ごしたいと話しながらも、やりたいことは次々出てきそうだ。
若いうちがいいですよ。リタイア後のことでも。
「ここを決めた時、私は54歳でした。ちょっと早いかなとも考えましたが、今思えばそれがよかったと思います。私たちは、リタイア後も東京と八ヶ岳の二地域居住ですが、生活の場所を大きく変えるって大変ですよね。特に移住などを考えるのであれば、できれば何年かの体験期間のような時間があった方がスムースにいくと思うんです。」
「まさかあの時に決めるとは思っていませんでしたけど、あの決断があったから今、ゆとりを持ってこのスタイルを楽しめている気がします。それに忙しいからこそ、この週末滞在が主人にも私にも何よりもリフレッシュの時間になっているんです。」
紅葉が終わってカラマツのジュウタンが敷き詰められ、今度は、今日みたいに真っ白な雪が降り積もる。彩りの変化が季節の移り変わりを感じさせてくれる。西の森でウグイスが鳴けば、春の訪れを知らせてくれるし、夏は花々が咲いて散歩するだけでも心が浮き立つ。四季を感じながら暮らせるのがここの一番の魅力だという。
「去年の2月の大雪の時も、泉郷はとても早く道路を除雪したと聞いています。管理された分譲地というのも、我々世代にとってはとてもありがたいことです。」
今年で64歳を迎える岡さんは、まだまだ現役で勤まる若さと行動力を感じさせる。それでも若いうちからの準備が必要だと言う。
「心も体も元気なうちに準備しておいてよかったと思いますよ。」
それが新しい生活スタイルの計画をお考えのみなさまへの大きなアドバイスになりそうだ。
(この記事は2015年のインタビュー)