いろいろなことを乗り越えてきた今、もっと人生を楽しまなくちゃ。八ヶ岳スタイル32号
最近では三世代で集まられるそうですね。
子供が大きくなった今、孫が4人います。男の子ばかり3歳から6歳で、集まると大騒ぎです。
前の別荘も良かったけど、リフォームしてもせいぜい10年。だったら買い替えた方が良いと、思い切って決断しました。それに、ここがあると何かあった時に避難所にもなるから安心でしょ。ここに来ればみんなに会えるし生活もできるから。
でも今の別荘を買ってお手入れをし始めたら、自分たちももっと別荘ライフを楽しもうと思うようになりました。ガーデニングを始めてみたり、このテラスの手摺りは自分で造り直して、床はサンダーを掛けて塗装したんですよ。大変でしたが、ちょっと自慢かな。
八ヶ岳での暮らしはいかがですか?
若い頃から山登りやスキーが趣味で、最近は谷川岳や乗鞍まで足を伸ばしました。他にもここを拠点にすると50キロ圏内くらいに、高山、蓼科、木曽路、王仁塚(わにづか)の桜、奥裾の水芭蕉など、行ってみたいところがたくさんあります。それと、長野県には温泉手形というのがあって、1,300円で12ヵ所の温泉に行くことができるんですよ。温泉も大好きなので、楽しみのひとつです。もともと海より山が好きだったので、八ヶ岳との縁は私達にピッタリだったんだと実感しています。
別荘地としては質の高い管理をしてもらっているという感じがします。浄化槽のポンプが壊れた時は、部品交換で済むにもかかわらず、代替えのポンプを付けてくれたり、冬に水道管が凍った時はすぐに来てくれて、素早い対応に助かってます。お客様の立場を分かっているというか、助けるという気持ちを感じるのがいいですね。だから管理費も決して高いと思ったことはありません。
別荘は、真冬も過ごしましたが、二重サッシとファンヒーターひとつだけで大丈夫でした。無垢の木の内装は温かみがあるし、窓が広いので冬は日差しがたっぷり入って暖かく過ごせました。2階のロフトが一番いい場所です。
日常生活は便利ですね。大きなスーパーがいくつかあるし、病院もあるので心配はありません。それと孫たちが来ると、この周辺には大きな自然公園がたくさんあるというので喜んでいます。 もともと東京からそれほど遠くなかったのですが、圏央道がつながってますます近くなりました。40年前と比べると木々が5〜6メートルくらいは伸びてるんじゃないかな。当時はもっと見晴らしが良くて遠くの山々が見えて、カッコウがうるさいほど鳴いていました。リスたちも来るたびに見かけましたね。環境も少しずつ変わっている気はします。それでも、とにかくここは緑が多いので、家の中にいるだけでも目の保養になるし静かで落ち着きます。
社交ダンスも楽しんでいらっしゃるとか。
そう。私が60歳になった頃、家内にひと月かけて口説かれてね。一緒に始めました。まさに60の手習いですよ。最初はね、渋々でしたが、やるからにはと本気になったら、練習は週に何度もあるし、ダンスと言っても種目が10種類もあるので、ステップを覚えるだけでも大変でしょ。それにリズミカルに動くのも結構な運動量だしね。それでも家内に引っ張られて大会にも出場できるくらいにはなりました。最初はタンゴやラテンはなかなか踊れなくて大変でした。
両親の介護なんかもあって、60代はそんな風に過ぎて、気づいたら70代。ダンスで目いっぱい楽しんだからか、更に人生を楽しまなくちゃもったいない、そんな風に思うようになりましたね。72才ですけど、まだまだこれから遊びたいし、そのためにも時間は大切にしなくちゃと思います。振り返ってみれば、いままでずっと走り続けてきましたけど、これからも立ち止まるとダメなんだと思います。マグロみたいに泳ぎ続けないと、そんな人生です。
(この記事は2015年のインタビューです)